リスニングの力をつける効果的な方法というのは、個人によってかなり違います。リスニング力の付きやすさにも非常に大きな開きがあります。学習は何事もそうなわけですが、とりわけリスニングに関しては向き不向きが大きく、難なく力を伸ばせる人もいれば、なかなか力がつかない人もいます。リスニング力は、英語の単語連語の暗記力や文章読解力とは、まったく相関関係がない能力とも言えます。そのため自分に向いた学習方法を、取りあえず試行錯誤しながら探してみることが望まれます。

 一向に力が伸びない、と言う場合は、正攻法しかありません。まずはTOEFLのオフィシャル問題集を用意しましょう。そして正攻法で問題演習を繰り返します。最初に.問題を解いて、間違ったところをもう一度やり直します。ただ聞き流しているだけでも、聞いていているうちになんとなく意味がつかめてわかってきた、という場合はその方法で進めていくことになるでしょう。が、聞いていても何も進展しない、という場合も多いものです。その場合は、聞き取れた部分を書き出しておき、その後スクリプトと照らし合わせます。

赤ペンで間違った箇所や聞き取れなかった箇所を書き込み、その添削文を見ながら何度も聞きなおします。単語自体を知らなくて聞き取れなかった場合は、その機会に単語のスペルも発音も憶えてしまいましょう。いずれにしても、TOEFL試験で必要となる単語です。単語は知っているけれども、速くて聞き取れなかった場合は、文ごとに区切って、聞いては自分も同じように話し、聞いては自分も同じように話す、ということを繰り返します。そのあと、もう一度最初から同じリスニング問題演習をおこないます。

 こうしたことをし続けても、次に他のリスニング問題になるとまた全然わからない、ということがしばらく続くこともあります。しかし、これは決して無駄にはなりません。何よりも語彙が増えます。聞き取り問題では点数アップになかなか結びつかなくても、リーディング問題を解く上でのかなりの力となります。聞き取り能力はなかなか目に見えてアップしていかないことが少なくないので、学習を続けるのが難しい面があります。しかし、単語や連語を確実に憶えていけるこうした方法でなら、学習を継続しやすいでしょう。決して徒労に終わることはないのですから。

 問題数を多くこなすことよりも、一つの問題文に深く向き合うようにしたほうが効率的です。聞いているだけでわかるようになるというのはむしろ特殊なケースです。ヨーロッパ人やアフリカ人が日本語のテープをただ聞き流していて、それで効果が得られるかを考えればわかることです。TOEFLのオフィシャル問題集のスクリプトひとつひとつに、単語連語を憶える手段だとでも割り切って、深く向き合うことです。聞き取る力は個人差が大きいので、それでも効果がない場合もあるかもしれませんが、単語連語力は間違いなくアップします。価値ある努力です。